沖縄のお墓の墓石を探す時に重要な3つのポイント

様々なお墓が並んでいる様子

本土と沖縄のお墓の形は全く違います。本土で墓石を探すといえば、四角柱の、石の柱のような形を想像するかと思います。ところが、沖縄ではあまりそのようなお墓は見かけません。沖縄でそれにあたるのが、家のような形をした大きなお墓の構造物です。このため、沖縄で墓石というと、少し違和感を感じるかもしれません。

沖縄で墓石を探すといえば、どのような家のような構造物のお墓を建てるか、そのサンプルを探すということになるわけです。ここで墓石といった場合、この家のような形をした沖縄式のお墓の構造物だと思ってください。

沖縄のお墓の墓石は、家のような形をしています。このため、選ぶポイントは、収納する骨壷の数と大きさ墓石の素材お墓のデザインになります。


お墓に収納する骨壷の数と大きさ

実質的に重要なのが、収容しようと考えている骨壷が実際に入るかどうかということになります。お墓の実質的な目的は、お骨を収納することにあります。このため、予定していたお骨を収納することができなければ意味がありません。

沖縄の骨壺はさまざまな種類があります。一般的な、円筒状の骨壺もありますが、他にも、沖縄の伝統的な、大きなボックスの形をした、骨董品の壺のような装飾のものもあります。このため、想像していた以上にスペースを取ることも多々あります。

また、お墓の性質上、今だけではなく、何十年、もしかすると何百年と使われるかもしれません。ぎりぎりのサイズで大きさを見積もってしまうと、次世代ですぐに問題になってしまうことも考えられます。

このように、意外と見落としがちかもしれませんが、骨壺の収納数とスペースの大きさが非常に重要なポイントになるのです。


墓石の素材

次に、墓石をどのような素材で作るかが大きなポイントになります。普通に考えると、お墓は石材で作ることが一般的と思われるかもしれません。

実際、本土のほうでは、石材以外で作ることはあまり考えられないものと思われます。ところが、沖縄では石材以外でも、コンクリートで造るということが非常に一般的です。これは、沖縄のお墓の大きさに由来するものと考えられます。

沖縄のお墓は非常に大きく、小さくても、小さな小屋くらいの大きさはあります。今こそ主流である石材の御影石は安価なものになりましたが、一昔前は非常に効果で、これを材料に沖縄でお墓を造るという選択肢は考えられませんでした。

このため、沖縄のお墓はコンクリートで作ることが主流だったのです。いまは、中国から御影石が安価に輸入できるため、ほとんどが御影石の石材で作られます。

しかし、石材を運び込むことが非常に困難な場所に墓地がある場合があります。例えば、山の奥のほうに建てる場合や、霊園内でも、道が極端に狭くて、石を運ぶ重機が入らない場合は、今でもコンクリートでしかお墓を造れない場合があります。

このため、どのような素材でお墓を造るかということを、しっかりと検討しなければなりません。


墓石のデザイン

沖縄でお墓を造る場合、墓石のデザインは、亀甲墓と破風墓の二つが主流です。しかし、それ以外にも、本土で主流な石柱型のデザインと、沖縄のお墓のデザインをミックスした形の墓石も人気です。

どのようなデザインの墓石にするかは全くの自由なので、お墓を建てようとする方の、考え方や、宗教、思いなどが重要になってきます。

亀甲墓は古い中国の思想の影響を受けているといわれています。亀甲墓は、母親の胎内を現しているといわれており、人はその人生を終えると、母親の胎内に帰っていくという易経の思想が取り入れられているといわれています。

また、風水や、墓標にどのような言葉を入れるかを重要視する方もおられると思います。このようなことをしっかりと明確化して、自分の思い通りのお墓のコンセプトを考えることが、非常に重要になってくるものと思われます。

沖縄のお墓のデザインは様々です。このため、ご自分のイメージをしっかりと明確にすることが、満足のいくお墓づくりにつながるものと考えています。


まとめ

沖縄でお墓を建てる時に、収納する骨壺の数量とそのサイズが一番最初に考えなければならないことをご説明させていただきました。

また、お墓を造るときに、墓石にどのような素材で造るのか。御影石で作るのか、それともコンクリートで作らなけらばならないのか。このような点をしっかりと吟味する必要があります。

また、墓石のデザインもしっかり熟慮しなければなりません。自分の考え方や、思いがしっかり反映することによって、満足のいくお墓が完成するものと重されます。

このような点を押さえてお墓づくりすることで、満足のいくお墓を造ることができるのではないでしょうか。

沖縄のお墓「亀甲墓」と「破風墓」の違いとは?

沖縄でお墓を見かけたとき、その屋根のデザインが、丸い亀の甲羅の形をしてることが多いかと思います。このデザインのお墓を亀甲墓と言います。

その一方で、本当に家のような屋根の形をしたお墓を見かけることもあると思います。このデザインのお墓のことを破風墓といいます。

現在造られる沖縄のお墓のデザインで、最もポピュラーなデザインは、亀甲墓破風墓の2つに分けられます。


亀甲墓

亀甲墓は、お墓の屋根が亀の甲羅のような形をしている墓のことを言います。沖縄のお墓の中では、非常にポピュラーな形と言えるでしょう。

車で沖縄をドライブしていると、街中に突如として一戸建て住宅くらいの大きさの亀甲墓に遭遇することがあります。とても一般的なデザインで、沖縄の様々な場所で見ることができます。

亀甲墓のデザインの歴史は古く、昔の中国の思想的な影響を受けているといわれています。中国の易経では、人はその人生を終えると母親の胎内に戻って行くという考え方があるようです。亀甲墓は、母親の胎内を現しているため、その中にお骨を収めることで、人が胎内に戻っていくという思想を反映しているものと考えられます。

このような背景を考えると、亀甲墓のデザインは、昔の中国の思想的、文化的な影響を強く受けていることがうかがえます。


破風墓

そして、もう一つ有名なお墓のデザインが破風墓のデザインです。琉球国王である第二尚氏のお墓、玉陵(たまうどぅん)も破風墓の形をしています。

破風墓の破風とは、建築用語で屋根の妻側の形を意味しています。身近な例では、日本の神社やお城などにもみられる、三角形の形の部分のことです。

このようなデザインをお墓に採用してるために、破風墓と名付けられたと思われます。破風墓も亀甲墓と並ぶくらい一般的で、非常にポピュラーなデザインといえるでしょう。


その他のお墓のデザイン

現在建てられる沖縄のお墓のデザインは、その多くは亀甲墓か破風墓に当てはまるといっても過言ではないでしょう。それ以外のデザインのお墓もありますが、この二つのデザインのアレンジだったりする場合もあります。

例えば、お墓の庭のスペースを覆うように、御影石で屋根がついているデザインのお墓もあります。一見すると、どちらにも当てはまらないようなデザインに見えます。しかし、よくよく見ると、屋根は亀甲型のデザインだったりすることが多々あります。

このように、沖縄のお墓は亀甲型と破風型のデザインの影響が非常に強く、沖縄のお墓の典型的なデザインといえるでしょう。


まとめ

沖縄のお墓のデザインは、亀甲墓か破風墓に代表されるということを紹介させていただきました。そして、亀甲墓には中国の易経的な思想の影響を受けていると考えられている一方、破風墓は日本の神社やお城にみられる破風の形を採用していることがわかりました。

このような違いを考慮して、沖縄県内でお墓を建てる際にご参考になれば幸いです。

沖縄のお墓の工事で知っておくべき3つのポイント

お墓を建てるとうことは、一生に一度あるかないか。工事の流れのイメージはなかなか湧かないものだと思います。特に沖縄のお墓は本土とは違い、家のようなかたちをしているので、ますますイメージが湧かないと思います。

沖縄のお墓の工事工程は、住宅と同様に、古い建造物(お墓など)の撤去土間の設置石材の組み立てという流れになります。


古い建造物(お墓など)の撤去

住宅を建てる時と同様、お墓を建てる場所に古いお墓などの建造物がある場合、それらを撤去する必要があります。

沖縄県内でお墓を建てられる場所は限定されていますので、 お墓を撤去して同じ場所に建てることはめずらしくありません。新しくお墓を建てる場合、旧所有者のお墓を撤去してそこに新たにお墓を建てることになります。

また、ご自身の古くなったお墓を新しく建て替える場合も、同様に撤去する工事が必要になります。

このように、お墓を建てる場合は、新築の家を建てる時と同様、古い構造物を撤去する作業が必要になります。


お墓を建てる土間の設置

お墓を建てるためには、住宅を建てる時と同様に、構造物を設置するための土間を造る必要があります。

墓石は非常に重いため、人が住む家と同様に、しっかりと基礎を作らなければなりません。このため、通常は鉄筋で骨組みを作り、コンクリートを流し込んで、しっかりとした土台を造ります。

お墓も住宅と同様、重い構造物を支えるために、しっかりとした土台を造らなければならないのです。

石材の組み立て

そして、できた土台の上にお墓を組み立てていきます。沖縄のお墓は本土の四角柱型のお墓とは違い、箱型の家のような構造をしています。このため、石材のパーツをしっかりと組み立てていかなければなりません。

石材のパーツも、屋根や四方の壁、入口の扉の部分など、住宅さながらにさまざまな種類で構成されます。それらを、熟練した職人が緻密に組み立てていきます。

沖縄のお墓は、土台が出来上がると、住宅の建築のように墓職人よって着実に組み立てられていくわけです。


まとめ

沖縄のお墓は、住宅の建築と同様に、旧構造物の撤去、土台の設置、そして石材の組み立てが必要だということをご説明させていただきました。

そして、組み立ては、本土のお墓とは構造的に違うため、熟練の職人によって複雑に組み立てられる必要があることもご説明させていただきました。

沖縄でお墓を建てるとき、このような点を踏まえて工事のプランを考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。